「英語は早いほうがいいって聞くし、タイピングもこれからの必須スキルらしい。でも習い事も宿題もあるのに、両方は無理……どっちを先にやるべき?」
小学生の保護者からよく聞く悩みです。結論から言うと、この2つは「どちらが先か」を選ぶ関係ではなく、同じ時間の中で一緒に進められる関係にあります。この記事では、その理由を学校のカリキュラムの側から整理します。
学校の予定表を見ると、順番はすでに決まっている
まず、学校教育の中でこの2つがいつ始まるかを確認しておきましょう。
- 小3: 国語でローマ字を学習(旧課程の小4から前倒し。背景には「コンピュータを使う機会の増加」があると文化庁の資料(外部サイト・新しいタブで開きます)にも示されています)。同じ小3から外国語活動もスタート
- 小5: 英語が「教科」になり、成績がつく
- 中学: 学習する英単語は1600〜1800語程度。小学校分と合わせて中学卒業までに計2200〜2500語
つまり学校の設計上、アルファベットのキーボード入力(ローマ字)と英語との出会いは、小3でほぼ同時に始まるのです。「どちらを先に」と親が悩む前に、カリキュラムはすでに並走を前提にしています。
「別々の習い事」と考えるから両立できなくなる
英語教室に週1、タイピング教材で週2……と別枠で考えると、時間も費用も倍かかります。しかし、この2つには重なる部分があります。
英語タイピング——つまり英単語を打って覚える練習は、1回の練習で両方に触れる方法です。
- キーの位置を覚え、指を動かす → タイピングの練習
- 打っている文字列は英単語。発音を聞き、意味を見て、綴りの並びを指で反復する → 英語(語彙)の練習
日本語のタイピング練習では「ローマ字変換」という英語にはない工程を挟みますが、英単語をそのまま打つ練習なら、打った文字列がそのまま英語の綴りとして蓄積されていきます。
あえて順番をつけるなら「キーボードに慣れる」が入り口
とはいえ、何の準備もなく英単語を打つのは大変です。あえてステップを分けるなら、こうなります。
- まずキーボードに慣れる(小3前後〜): ホームポジションと、よく使うキーの位置。ローマ字学習と同時期なら相乗効果が見込めます
- 英単語を打つ練習に移る(慣れてきたら): 小学校で学ぶ600〜700語の基本単語を、聞いて・見て・打つ
- 中学英語の先取りへ(小6〜中1): 中学の語彙は約1600語。入学前に「打ちながら覚える」習慣ができていると、単語学習の道具が1つ増えた状態でスタートできます
大事なのは、ステップ1にかける期間は長くなくていいということです。キー配置の習得はあくまで入り口で、本体は「英単語を打って覚える」時間のほうにあります。
2026年度からは「打てる英語力」が測られ始める
もう1つ、知っておきたい背景があります。2026年度の全国学力調査から、中学英語がCBT(コンピュータ上のテスト)になり、「書くこと」の問題はタイピングでの入力が必要になります。文部科学省も「英文のタイピング入力等に取り組む機会を設けることが望ましい」と事務連絡(外部サイト・新しいタブで開きます)で明記しました。
英語力とタイピングは、テストの場面でもすでにセットになりつつあります。「どちらか」ではなく「一緒に」が、時代の側の答えでもあるのです。
まとめ
- 学校カリキュラム上、ローマ字(小3)と外国語活動(小3)はほぼ同時スタート。順番を悩む必要はもともと薄い
- 英単語タイピングなら、1回の練習が英語と タイピングの両方に効く
- 入り口はキーボード慣れから。ただし本体は「英単語を打って覚える」時間
- 2026年度からは全国学力調査の中学英語で「打つ」解答が始まる
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