2026年度の全国学力・学習状況調査から、中学3年生の英語がコンピュータ上で解答する方式(CBT)に変わりました。「書くこと」の設問は、鉛筆ではなくキーボードで英文を打ち込んで解答します。
「うちの子、英語をタイピングしたことなんてあるかしら?」——そう思った保護者の方にこそ読んでいただきたい、制度の変化と家庭でできる備えの話です。
何がどう変わったのか
全国学力・学習状況調査は、小6と中3を対象に毎年4月に行われる国内最大規模の学力テストです。このテストのデジタル化が、次のスケジュールで進んでいます。
- 2025年度: 中学理科でCBTを初導入
- 2026年度: 中学英語もCBT化(文部科学省(外部サイト・新しいタブで開きます))
- 2027年度以降: 小中学校の全教科をCBT方式へ移行する方針
解答に使うのは、文部科学省のCBTシステム「MEXCBT(メクビット)(外部サイト・新しいタブで開きます)」。GIGAスクール構想で配備された、ふだん学校で使っている1人1台端末で受験します。
「書くこと」はタイピングで解答する
国立教育政策研究所が公開した中学英語のサンプル問題(外部サイト・新しいタブで開きます)を見ると、構成は「読むこと」2問、「書くこと」2問、「聞くこと」3問、「話すこと」4問の計11問。このうち「書くこと」では、自分の考えを英文にしてキーボードから入力する必要があります。
注目すべきは、文部科学省自身が学校向けの連絡文書の中で、**「英文のタイピング入力等に取り組む機会を設けることが望ましい」**と明記していることです。つまり国が公式に、「英語のタイピング練習をしておいてください」とアナウンスしているのです。
英語が分かるのに、点にならないリスク
CBT化で起こりうるのは、こんなすれ違いです。
頭の中には正しい英文が浮かんでいる。単語も文法も分かっている。でも、キーボードのどこに「W」があるか探しているうちに時間が過ぎていく。焦ってタイプミスをして、消して、打ち直して——。
紙のテストなら「書くのが遅い子」はほとんどいませんが、CBTではタイピング速度が解答スピードに直結します。文部科学省の情報活用能力調査では、中学2年生の入力速度は1分間あたり23.0文字(日本語)。英語のタイピングとなると、経験の少ない子はさらに手が止まりがちです。
英語力とは別のところで損をする。これがCBT時代の新しいリスクです。
全国学力調査は「入口」にすぎない
「全国学力調査は内申に関係ないから大丈夫」と思うかもしれません。ただ、この変化は学力調査だけの話ではありません。
- 英検S-CBT(外部サイト・新しいタブで開きます)では、ライティングを筆記型かタイピング型か選んで受験
- 東京都のESAT-J(外部サイト・新しいタブで開きます)は、タブレット端末で解答するスピーキングテストで、結果は都立高入試の得点に反映
- 2024年度からは小5〜中3の英語でデジタル教科書(外部サイト・新しいタブで開きます)の提供も始まっています
英語のテスト・教材のデジタル化は一方通行で進んでいます。全国学力調査のCBT化は、その流れが「全員に届いた」という合図です。
家庭でできる備え: 「英語を打つ」を日常にする
備えといっても、特別なことは必要ありません。ポイントは2つです。
1. アルファベットのキー位置を体で覚える
ローマ字入力の経験があれば土台はあります。ただし日本語入力とは指の動きのパターンが違うため、「英単語を打つ」練習を別途しておくと安心です。
2. 単語練習とタイピング練習を一体にする
どうせ英単語を覚えるなら、書いて覚えるのに加えて「打って覚える」を取り入れると、スペルの定着とタイピング習熟が同時に進みます。1日10分でも、積み重なれば入力への抵抗感はなくなっていきます。
まとめ
- 2026年度から全国学力調査の中学英語はCBT化。「書くこと」はタイピング解答
- 文部科学省も「英文のタイピング入力に取り組む機会を」と公式に推奨
- 英検S-CBT、ESAT-Jなど英語テストのデジタル化は既に既定路線
- 備えは「英語を打つ」を日常にすること。単語学習との一体化が効率的
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