「英語は多読がいい」——洋書をたくさん読んで英語力を伸ばす多読は、根強い人気のある学習法です。「辞書を引かず、easyな本を、楽しく大量に」という方法論に憧れて、子どもにも早く始めさせたいと考える保護者は少なくありません。
ただ、多読には成立条件があります。この記事では、「いつから始めるか」を年齢ではなく語彙の準備という観点から整理します。
多読が成立する条件: 「ほぼ全部知っている」文章
多読の理屈は、「知らない単語が少しだけ混ざった文章を大量に読むと、文脈から意味を推測でき、語彙も読解力も自然に育つ」というものです。ポイントは「少しだけ」の部分。
応用言語学のNationらの研究では、文中の95〜98%の単語を知っているテキストが学習に適するとされています(解説(外部サイト・新しいタブで開きます))。98%とは、50語に1語だけ知らない単語がある状態。つまり多読とは「ほぼ全部知っている文章を読む」学習法なのです。
これを下回るとどうなるか。知らない単語だらけの文章では、推測の足場になる「知っている部分」が足りず、内容がつかめません。ページは進まず、楽しくもない。多読は「読める人をもっと読めるようにする」方法であって、ゼロから読めるようにする方法ではない——ここが最重要ポイントです。
「いつから」の答え: 年齢ではなく語彙で決まる
だから、「小3から」「中1から」のような年齢の答えはありません。答えはこうなります。
読みたいレベルの本の単語を、95%以上知っているなら、いつでも。
子ども向けの段階別読み物(Graded Readersなど)は、使用語彙を数百語レベルから制限して作られています。最初の段階の本なら、小学校で学ぶ600〜700語の基礎語彙がしっかり身についていれば、手が届く計算です。逆に、語彙が二桁・三桁前半のうちは、どんなにやさしい多読本でも「95%」に届きません。
つまり多読を始めたい家庭がやるべき準備は、基礎語彙を確実に積むこと。多読は語彙の上に建つ建物です。
準備段階: 語彙は「見た瞬間に分かる」レベルまで
もう1つ、語彙の「質」の条件があります。多読では、1語ごとに立ち止まって考える余裕はありません。「えっと、この単語は……」と数秒考える単語は、たとえ思い出せても、読書の流れを止めます。
多読の足場になるのは、見た瞬間に意味が浮かぶ(自動化された)単語です。この自動化をつくるのが、日々の反復練習——発音を聞き、意味を確認し、綴りを打つ、というタイピング型の単語学習は、まさにこの「見た瞬間に分かる」在庫を増やす工程です。単語学習と多読は対立する方法ではなく、下ごしらえと本番の関係にあります。
始めどきのサインと、始めてからのコツ
- サイン: 教科書の英文を、和訳せずに前から読んで意味が取れるようになってきた頃が、段階別読み物の最初のレベルを試す目安です
- 本選びは「簡単すぎるくらい」から: 本人の実力より下のレベルから始めるのが多読の鉄則です。「余裕で読めた」という成功体験が、次の1冊につながります
- 読めなかったら、恥ではなく在庫不足: 途中で投げ出したら、「まだその本の単語が揃っていないだけ」と扱い、レベルを下げるか、語彙の積み増しに戻ります。本人の能力の問題ではなく、準備の順番の問題です
まとめ
- 多読は文中の95〜98%の単語を知っていて成立する。「ほぼ全部知っている文章」を読む学習法
- 「いつから」は年齢ではなく語彙で決まる。基礎600〜700語の定着が最初の目安
- 足場になるのは「見た瞬間に分かる」自動化された単語。単語学習は多読の下ごしらえ
- 簡単すぎるレベルから始め、読めなければ在庫不足として語彙に戻る
スラスラ英タイピングは、学校英語の単語を"見ないで打てる"ようになるまで見届ける学習サービスです。多読の足場になる「見た瞬間に分かる単語」づくりに、無料体験をこちらからどうぞ。
英単語を「見ないで打てる」まで、
AIが見届ける英語学習サービス
タイピングの練習が、そのまま英単語の学習になります。学校英語の単語を、スペルを見ずに打てるようになるまでAIナビゲーターが「つぎに何をやるか」を提案。ゲーム感覚で、毎日つづく家庭学習に。
- 打って覚える
- AIが次を提案
- 本当に覚えたか判定
※クレジットカード登録が必要です。無料期間中に解約すれば ¥0。